痛くない部分に鍼を刺すのはなぜ?
コラム
鍼灸治療で患部とは関係ない部分に鍼を刺され、なぜ?と思ったことはあるでしょうか。
これは、ただでたらめに鍼を刺しているのではありません。
鍼治療は、体全体のバランスを調整し、治療効果を最大化するために行われることがあります。
これは伝統的な東洋医学の考え方に基づいています。
経絡の調整
東洋医学では、体内にはエネルギー(気)や血液が経絡と呼ばれる経路を通って流れており、特定の経絡が患部と関連しているという考え方があります。
しかし、患部だけでなく、その他の経絡も影響を与えることがあるため、全体的なエネルギーの流れを調整する必要があります。
患部に近い経絡以外のポイントに鍼や灸を行うことで、全体のバランスを整えます。
身体全体の調和
東洋医学では、身体の健康は全体の調和に依存していると考えています。
患部に限らず、他の部分に施術を行うことで、全身の調和を取り戻し、治癒プロセスを促進するのです。
隣接組織への影響
患部に直接鍼や灸を行うと、隣接組織や神経にも影響が及びます。
これにより、患部周辺の筋肉や関節の緊張が緩和され、痛みの緩和や機能改善が期待できます。
痛み緩和と全身的な効果
患部に限らず、全身的な鍼灸治療は、痛みや不調を和らげ、体全体の健康を向上させる効果があります。
特定の部位に限らず、体全体を考慮することで、総合的な治療効果が得られる可能性が高まります。
鍼灸治療は患部だけでなく、全身を見据えて行われ、体のバランスを調整し、治療効果を最適化するために他の部分にもアプローチすることがあるのです。